2011年から始めたreclaimed blue projectも、もう12年めをむかえる。定番作品である「めんちょこ」をもう20年ij以上、作って、人の手に渡してきたわけだから、そろそろ、割れたり、要らないなーと思われるのは当たり前だとおもう。ただ、フリーマケットなどで売られている現場に遭遇するのは、作家としてあまり良い気分ではない。ということで、「いらなくなった、めんちょこ、引き取ります」。と声高々にはじめたのだが、あまりお戻りはない。ただ、制作すると同時に工房に硝子破片、失敗作などは、毎年一定量は蓄積されるので、それを毎年溶かし直して何か特別なモノを作ることにしている。
この青色に関しては、工房の定番作品は黒を多く含むので、その他の硝子と混ぜて溶かし直すと、コバルト成分が一番熱に強いということもあり、深い藍色が生まれるのだ。それも毎年微妙に違うところが面白い。
さて、では何を作るか?なのだが、もともとはゴミだったものだから、なるべく、その真逆にある価値を感じられるもので少し、アイロニーを感じさせたいと最初に思った。日本人ならだれしも憧れを持つ李朝白磁、さらには、その元になった中国の唐、宋時代の陶磁器を自分自身のフィルターを通して作るのも面白い。もう一度、再生された原料で、形をも再生していくことに挑戦してみたい。リサイクルを声高々にうたうことはしたくない。これからは、それが、当たり前の時代がくる、モノを生み出す人間として心に刻みつけておきたい。世の中がSDGsと騒ぐ中、私はいったい何ができているんだろうか?相変わらず、ガラス制作には、電気もガスも水も使う、せめて、人の気持ちを癒し、生活を豊かにするモノを精一杯作り、手渡していきたいと願うばかりだ